■ もともとはキャッチの兄ちゃんだった
「料理人」と聞くと、調理学校を出て修行して……みたいなイメージがありますよね。
濱田の場合、最初は居酒屋のキャッチをやっていたそうです。 キャッチから店内に入って、そこから本格的に料理を始めました。
ただ、もともと父親も料理人、母親も調理師という環境で育っていて、 料理のセンスは最初から染み込んでいたようです。
「ちゃんと勉強はしてないですけど、素材をアレンジしたり、料理をオマージュしたりとスキルは高いんで、それでなんとかその天才的な才能でやってこれてます笑」
本人談ですが、これ、かなり重要なスキルだと思っていて。
うまくいっているお店のメニューを見て、自分たちのオペレーションと技術に落とし込んで、 うらめし屋らしい色をつけて提供する。 その変換能力が、このグループのメニューの強みになっています。
■ 料理は好きじゃない、でも…
「実は料理やること自体はあんまり好きじゃないんですよ」
取材中、さらりと言っていました。でも続きがあって。
「自分が作ったものをお客さんが食べてくれて、美味しいとか、感動してくれることが一番の励みになってる。それがあるからやってこれてる」との事、
料理が好きだからやっているというより、 お客さんの反応が好きだからやっている、という人なんですよね。
SNSで「濱田目当てで来ました」「濱田さんの料理食べたくて」というコメントを見ると、 素直に嬉しいと言っていました。
そして”一番”大事にしていることを聞いたら、こんな答えが返ってきました。
「温かいものを温かいまま、冷たいものを冷たいまま出す。当たり前のことなんですけど、それを毎日やる」
派手な答えを期待していたんですが、
『 逆にこれが一番刺さりました。 』
当たり前のことを毎日当たり前にやり続けるって、実はすごく難しいんですよね。
■ 「居酒屋燃えた」の意味、知ってますか?
取材の最後に、思わぬ話が出てきました。
うちのお店の正式名称は『居酒屋燃えた うらめし屋』。
「燃えた」ってどういう意味なんだろうと思ったことがある方も多いんじゃないでしょうか。 実はこれ、比喩でも演出でもなくて、本当の話です。
うらめし屋の前身にあたるお店が、近くの飲食店の出火によるもらい火で、 燃えてなくなってしまいました。
そこからの復活劇として生まれたのが、うらめし屋。
「そのストーリーを知って来てもらえると、味わう料理の味、も変わってくると思う」
濱田はそう言っていました。
結構、無口で寡黙なタイプの本人ですが、今回の取材で言葉にして聞いて、ずっと知っていたはずなのに、なぜか改めて納得できた気がしました。
[1話]で紹介した、もつ煮込みも、牛タンテッサも、クリームチーZOOも。全部このストーリーの上に乗っている料理だと知ったとき、同じ一皿が、少し違って見えました。
■ 次回予告
次回は、そんな濱田が毎日200人前仕込んでいる 「もつ煮込み」の裏側を深掘りします。
あの美味しさには、ちゃんと理由があります。
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